イーロン・マスク氏のツイートによってテスラ社株が140億ドル減

テスラCEOイーロン・マスク氏がテスラの株価が高すぎるとツイートしたことで、株式市場は即座に反応し、自社自動車メーカーは140億ドル(イギリスポンドにして110億ポンド(5月5日時点UTC≒GMT約1兆5千万円の損失

マスク氏は下落を受けて自身の3億円の持分を株主たちへ補填し救済するとした。

マスク氏は「自身の意見として、テスラ社株は高すぎると思うとし、その他いくつかのツイートをしたが、その中には上記補填を公約する内容もあった」といった、株の売りを示唆するようないくつかのツイートをした。

他のツイートでは「ガールフレンドが自分に腹を立てている、と言ったものや、明るい展望が一気に無に化しそうなことに怒りを感じる」といったものだった。

マスク氏は2018年、ニューヨーク株市場におけるテスラ社の未来について書いたあるツイートが、規制当局が同社に対して2000万ドルの罰金を課す事態を引き起こしたことから、今後マスク氏のツイッター上の全て投稿について、弁護士の事前承認を投稿前に受けることに同意していた。

 

頭痛の種

金曜日、ウォール・ストリート・ジャーナル紙はこの億万長者に株価に関するツイートについてあれはジョークだったのか、投稿前にはきちんとチェックを受けたのかと尋ねたところ、「いいや、違う」との返事だったと報じた。

テスラ社の株価は今年に入って急上昇しており、この電気自動車メーカーの時価総額は1000億ドル近くに達しており、これは起業家に数億ドルの副収入を与えるきっかけとなった。

「こうした冗談ともとれるコメントは、イーロンがイーロンであるが故のことです。彼のツイートは注目を集めるので、彼の発言が株式市場を荒らすことがあるのです。投資家達にとっては頭痛の種ですし、ウォール街も明らかに危険と認識しているため、電気自動車分野に手を出し難い」とウェドブッシュ証券の危機管理研究員であるダニエル・イヴェス氏はロイター通信に対し語った。

2018年、マスク氏は、テスラ社を上場企業から非上場企業にさせるかもしれず資金を確保している、とツイートしたため、株価の変動が起きた。証券取引委員会は、その行為を市場に影響を与える発言だとして罰金を科し、テスラ社に二度と同じことが起こらないよう監視体制を整えるよう命じた。

しかし先週、連邦判事は、テスラ社とマスク氏は、私的ツイートについて株主たちに与える損失については訴訟を覚悟しなくてはならないだろうと述べた。

今週頭、マスク氏は3千340万人のフォロワーに向け、コロナウイルスパンデミック対策としてのアメリカの外出規制を、強く批判するツイートをした。また同氏は昨年、あるイギリス人洞窟ダイバーを「小児性愛者」とツイートしたことで裁判沙汰になった。

マスク氏が公約した売却の対象とした持分の中には、元俳優で現プロデューサーのジーン・ワイルダー氏がかつて所有し、2013年に購入した自宅も含まれているとしています。

しかし、売却はあってもジーン・ワイルダー氏の昔の家を倒壊したり、購入時にあった誇りを失ったりすることは決してありませんとも付言した。

 

【GIU解説】

今回のマスク氏のコメントを原油価格の下落に伴うものかと思慮してみます。

米国では、高価な電気自動車を買う層は、そもそもガソリン代など気にしていないので、電気自動車の売れ行きと原油価格はリンクしていないと思います。欧州ではガソリン税が高すぎて、少々の原油の下落では電気自動車の競争力は揺るぎない。中国では、環境破壊が進んでいるため、電気自動車へ政府が強力的にサポートしてきています。日本では、EVの新車販売台数は、欧州や中国の自動車メーカーの製品投入がけん引して来年にはHVを上回るとしています。

新車価格も少なくとも1千万を超える車両ばかりですので、世界的な視野で原油価格を気にして購入を懸念するような資産ではないのだと思います。

こうした状況と技術革新(燃費向上)が相まって、電気自動車は今後とも導入が進むだろうと考えますし、ムスク氏の発言は、自己流の政治的観念によるものだろうと思います。

 

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